ライフログの歴史に軽く触れてみる
最近ライフログについて関心があったので、知り得た情報をまとめてみました。といっても、最新情報の類ではなくむしろその逆なので、期待と異なる方は回れ右推奨です。
ライフログとは
ライフログとは、人間の生活を長期間に渡りデジタルデータとして記録すること、またその記録自体を指す。
人間が一生涯に体験する情報をすべて電子的に記録したら、どのくらいの容量になるか?
— HAL ( ˘ ³˘)♥@量産型 (@bump_of_kiharu) 2016年7月8日
案外たいした事ないね… pic.twitter.com/qmgLinOzEj
インターネット上のあらゆる情報の検索が容易になった今、人間が「知識として記憶しておく必要性」は薄らぎつつあると言えます。
ただし個人の行動に基づく情報、例えば3日前に誰と会ったか?といった情報はどうでしょうか。これが検索可能になれば、それは「人間の記憶をサポートするシステム」となり得ることが出来、その最たる例がライフログです。
実はライフログの発想は、今から70年以上も前にその原型となる概念が発表されていました。
Memex
パソコンやそのユーザーインターフェイス、ハイパーテキストの概念に大きな影響を与えた、Memexというものをご存知でしょうか。
Memex(メメックス、MEMory EXtender すなわち「記憶拡張機」の略)は、ヴァネヴァー・ブッシュが1945年の The Atlantic Monthly 誌の記事 "As We May Think" (AWMT) で発表したハイパーテキストの元となったシステムの概念である。
ブッシュが想像した memex は、個人が所有する全ての本、記録、通信内容などを圧縮して格納できるデバイスであり、「高速かつ柔軟に参照できるように機械化されている」ものである。 memex は「個人の記憶を拡張する個人的な補助記憶」を提供する。memex の概念は後のハイパーテキスト開発(さらには World Wide Web の創造)や個人用知識ベースソフトウェア開発に多大な影響を与えた。
Wikipediaから更に引用すると
memex はブッシュによれば「一種の機械化された個人用ファイル兼ライブラリ」である。マイクロフィルム、乾板写真、アナログコンピュータを使い、索引付けした膨大な知識の保管所へのアクセスを可能にするもので、どんな知識でもほんの少しのキー押下で呼び出せるという
つまり、画像や動画やその他の「個人の知識」をコンピュータに保管し、必要な時に必要な知識を取り出せるような仕組みを想定しています。個人の体験が機器に残されることによって、検索対象の一部になる。つまり「人間の記憶を拡張できる」という構想でした。
これは「ライフログ」の原点とも言えます。
米MITS社が世界初のパーソナルコンピュータ「ALTAIR」を発売したのが1974年ですので、"As We May Think"が発表された1945年当時、Memexはまだまだ構想上のものでしかありませんでした。
しかし1990年代になると、実際に利用者の経験を記録したり、行動に基づいた情報検索を支援するようなシステムが研究されるようになります。
Forget me not
代表的な研究事例として、イギリスのゼロックス社によって開発された Forget-me-not というものがあります。
これは携帯型の情報システムで、利用者が常に持ち歩いていることを前提としています。
オフィス内の各所に、赤外線ビーコンのような装置があり、これと連動してForget-me-notを携帯している利用者の位置を記憶することが出来ます。また、複数の利用者の位置情報を統合することで、どの会議室にいて誰が同席していたか、といったような情報も得ることが出来るようになっています。
画面の中にアイコンで表示されているのが個人の行動履歴です。
位置情報以外にも、メールを受け取ったり、書類を出力したり、電話を受とったり、という行動が即時に記録されます。また「階段を登って会議室に入った」というような移動情報も蓄積されていきます。
このような行動履歴を情報として残しておくことで、履歴の一覧の中から「特定の人と会ったものだけを取り出す」ことを可能にしています。
例えばある会議室で交換した書類を、後からプリンターで出力するといったシーンです。人・場所・日時といった情報での絞込が可能なインターフェイスを備えています。
このように、個人の行動履歴情報を記憶して、それに基づく情報アクセスを支援しているのがForget-me-notです。さすがはゼロックスなので、動画のあらゆるシーンで書類のプリントアウトというアクションに強結合しているのが、今となってはちょっと笑ってしまいます。
個人的にこのForget-me-not の試みは面白いと思い、もう少し詳しい情報を知りたかったのですが、残念ながら目ぼしい情報はこのYouTube動画とPDFくらいしかないようです。
“Forget-me-not” Intimate Computing in Support of Human Memory http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.1.6966&rep=rep1&type=pdf
その他のライフログの試み
ライフログの代表的な研究としては、Microsoftが2002年から行っていた「MyLifeBits Project」が有名です。
MyLifeBitsでは、メール、閲覧したWebサイト、紙書類のスキャンデータ、画像、音声データ、本、音楽CDを対象として、それらを記録し、PCを使う際に起こり得るすべての電子的な動作を後からトレース可能にすることを目指したものでした。(過去形でいいのだろうか…その後どうなったのかまではは分かりませんでした)
また、視覚情報の記録には「Aided eye」があります。
見たものをそのまま記録するだけでなく、眼球の動きを捉えて「誰とアイコンタクトを取ったか」「何に興味を持ったか」といった情報にまで及ぶ記録を行うものです。
この分野も非常に興味深いのですが、眼球の動きを捉えるということはつまり「メガネ型デバイス」にならざるをえないため、一般普及には利用者の心理的ハードルが一番の課題です。(Google glassさんお元気ですか)
メガネ型デバイスについては、ライフログというよりもVR/AR方面で今後より進化していくと思われます。
現代のライフログ
さてようやく現代です。
Forget-me-not や MyLifeBits Project などを経てMemex構想から約70年、ブッシュが思い描いていた「記憶拡張機」はこのような進化を遂げました。
どうですか。
その他色々あるかとは思いますが、MemexやForget-me-not等の歴史を振り返った後にこの動画を見ると、ちょっとした感動すらあります。
一般利用では、まだ見た物すべてを記録するといった段階には来ていないですが、場所情報についてはほぼ100%記録できる時代になりました。
そして、ただ記録するだけでなく、行動履歴から必要な情報を「検索することなく先回りして」提供してくれる時代になりました。
さいごに
この内容は、放送大学の「コンピュータと人間の接点」の講義をベースに、自分なりに調べた情報をまとめました。
Google Glassや、Apple Watch 等、ウェアラブルデバイスについてはまだまだ発展途上な印象ですが、「第2のジョブス的なカリスマが、誰もがあっと驚くスゴイものを作ってくれるといいな〜と思います」みたいな小学生レベルの感想で終わります。
仕事効率向上と、運動不足解消を同時に真剣に考えてみる
前回のブログで、朝一でショッピングモールに行くのはもう1つ理由がある、と書きました。
リモートワークなので通勤もなく、せいぜいコンビニまで数分歩く程度だった私ですが、去年少しだけ、仕事前にランニングをしてみた時期がありました。ダイエット目的でしたが3日坊主で終わってしまったので、効果なんてあるわけもないんですが、その時に偶然発見したことがあります。
それは、軽く運動してから仕事をすると調子がいい、ということ。
普段だと、仕事開始直後はまだエンジンが暖まっていなくて、ある程度の時間経過と共に徐々に集中していくような感じでしたが、運動後だと既に暖機運転は完了済、即トップギアな状態で仕事が出来る、みたいなイメージです。(当社比)
百聞は一見にしかず。騙されたと思って一度試してみて欲しいです。
運動と仕事効率の関係性について
Google先生に聞いてみると、色々出てきます。
通勤していた頃は、ランニングとまではいかなくても、「歩く」「階段を昇降する」といった軽い運動はしているので、オフィスに到着した頃には脳エンジンも多少暖まっていたような気もします。
今はせっかくリモートだし、自由はある。タイトル通り、運動不足解消と仕事効率を高めるためにも運動をしよう、という気持ちはずっとありました。
これまでの失敗
しかし、今までちょっと試しては挫折してを繰り返してきました。
1. スポーツジムに通う
スポーツジムはお金もかかるし、続かなかった時のことを考えると躊躇してしまう。(かなり昔に入会したことがあるけど、全然行かなくなって解約した経緯あり)
2. 根性でもう一度ランニング or ウォーキングを再開する
「暑い/寒い」「雨が降っている」「日焼けする(これが一番嫌)」などと自分にイイワケして、全然モチベーションが続かない。
3. ダイエットマシン的なもので自宅で頑張る
幾つか自宅にあるけど、どれも埃をかぶって絶賛冬眠中。ダメ人間すぎる自分がツライ。
新提案:ショッピングモールウォーキング
これです。怠惰な人間は何か一つでも面倒なステップがあると続かないですが、前回書いた通りモールには既にいるので、よほど気分が乗らない状態でもなければ大丈夫です。
平日の午前中なんてガラ空きなので、歩きたい放題です。
■メリット
- 夏でも暑くない。冬でも寒くない。雨や雪など天候に左右されない
- 日焼けしない(女性には超重要)
- 普段、テレビも雑誌も全然見ない私でも、ファッショントレンドをなんとなく把握できる
- ウィンドウショッピングの延長みたいで普通に楽しい
■デメリット
- 走るのはさすがに無理(でも屋外なら多少アリ)
- 物欲との闘い
こんな感じでしょうか。テック系ポッドキャストや、英会話教材等を聞きながらやると、学習時間にもなるので更に良い感じです。
実は偶然にも、ショッピングモールでこんなイベントをやっていました。本当に偶然なんですが。
とても広いモールなので、画像のように歩いて戻ってくるとほぼ2kmのようです。私はもう少し端まで歩いたり色々見て周っているので、3km弱/30分コースな感じです。それなりに汗もかくし、疲労も適度に感じるので私的にちょうど良い感じです。
まとめ
前回の内容も踏まえて まとめると
- オープン前の1時間で、ヤル気スイッチのためにフリースペースで作業
- オープンしたらウォーキング約30分
- 帰宅して少し休憩したら再開
こんな流れです。
欲を言えば、1 と 2が逆だとベストなんですけどね。あと、本当は有酸素運動をするのが良いそうなので、ウォーキングがしっかり習慣化したら、今度こそジムに入会して、ランニングをしたいと思っています。
最近は、生産性や仕事効率を高めるため、あれこれ試行錯誤している毎日です。
リモートワーカーのための、その日最初の「ヤル気スイッチ」の入れ方
私はリモートワークなので、さぁ仕事を始めるぞ!という最初のヤル気スイッチをいかにスムーズにONに出来るか、が永遠の課題なんですが、過去には「自宅じゃ無理だから、いっそレンタルオフィスを借りよう」と、契約手前まで行ったことがあります。ですが、最近お気に入りの方法が見つかったので、そのことについて書きたいと思います。
ヤル気スイッチについて
通勤する事で強制的に仕事モードに入る効果があるわけで、自宅作業の時もパッとスイッチ入るように、朝一でSkypeミーティングとか入れられるといいのかなぁ。でも相手ありきな方法だから、1人でも出来る方法ないかな。
— HAL ( ˘ ³˘)♥@量産型 (@bump_of_kiharu) 2016年6月15日
通勤って面倒ではありますが、強制的に仕事モードになれる効果は絶対あると思うのです。少なくとも周囲の監視の目によって何らかのスイッチは入る。
でも、リモートワーカーだとこの強制力と監視の目がないので、私のような怠惰な人間は特になかなか仕事モードに入れない日があったりします。子供がいなかった頃は本当に酷くて、ヤル気が出ない日は起床後もパジャマのままダラダラと過ごしてしまう事がよくありました。
メリハリを持って自宅でもスムーズに仕事モードに入れるようにしたい。でも、気合とか自分の意志の力なんて全然アテにならないのは自分が一番よく知っている。
じゃあどうするか??
具体的施策
結論を先に書くと、この方法はかなり手応えを感じました。
- 9〜10時までの1時間を自宅外のスペースで過ごす
- 最初の30分はその日のTODOを整理、 残りの30分で最初のタスクを開始
1. 「自宅外のスペースで過ごす」について
今は娘を毎朝保育園に車で送っているので、その帰りに近くのショッピングモールに行くことにしました。モール自体は10時オープンですが、オープン前から入れるフリースペースがあるので、1時間ほどそこでPCを広げて作業します。スタバやカフェでもいいんですが、コーヒー代も毎日だとバカにならないので、こういうフリースペースはありがたい。(ちなみに電源もWi-fiも用意されていました)
怠惰な人間は、何か一つでも面倒なアクションが挟まると続かないので、「送迎帰りに立ち寄る」としたのがまずポイントです。一旦自宅に帰ってから自転車で行く…なんて決意しても、おそらく3日も続かない自信があります(笑)。なので『いかに面倒なく出来るか』を重視しました。
2. 「1時間の作業」について
この「1時間」というのが大切なポイントです。基本的には自宅の大きなディスプレイで作業する方が効率は絶対良いので、ここでの目的は「やる気スイッチを入れる」ために必要な1時間だけです。
私はポモドーロ・テクニックを実践しているので、正確には「25分+5分(休憩)」の2ポモドーロをここで過ごすわけですが、最初はまず今日やらなければいけないタスクを整理します。もし時間が余れば、技術関連のブログ記事などもチェックします。
次に、残りの30分で最初のタスクに取り掛かります。一番腰が重いのは、その日最初のタスクに取り掛かる「はじめの一歩」なので、ここを乗り越えたら8割方成功したようなもんです。不思議ですね、自宅外だとスムーズにタスクを開始することが出来ます(笑)
何気に重要なのが、この30分で完了しないようなタスクだと尚良いということ。中途半端な状態で中断すれば、帰宅というアクションを一旦挟んだとしても、続きが気になってモチベーションを維持したまま再開出来ます。
これでようやく、筋金入りの怠惰な私でも、朝一からヤル気スイッチをONにすることに成功しました。
さいごに
ヤル気を出すための方法は人それぞれだと思うのですが、リモートは誘惑が一杯なので、それをいかに「意思の力」以外で回避するかが大切だと思っています。
他にも「こんな方法を実践してるよ!」など、皆様の知見を聞かせていただけたら、私が泣いて喜びますのでぜひよろしくお願いします。m( )m
あと、実は朝一でショッピングモールに行くのは、これ以外にもう一つ大きな理由があったりするのですが、それは次回に書きたいと思います。
プロジェクトを複数掛け持ちするということ
ここ1年ほどずっとモヤモヤしているので、プロジェクトを複数掛け持ちする事の弊害について書いておく。
これは自分の気持ちの整理のためで、誰かを非難したいわけでもなく、境遇が違えば当てはまらない事も多いと思う。また、私はフリーランスでリモートワークだから、という理由も大きい部分があると思うので、誰の参考にもならないかもしれない。
掛け持ちの定義
最初にこれを定義しておかないと話がブレるので一応書いておく。
関与度合いの違いはあれ、複数プロジェクトにアサインされている人は案外多いと思う。この時、いわゆるアドバイザー的なポジションでの参加や、チームメンバーではないが頻繁に会議に呼ばれる、といったようなサブポジションでの関与は、ここで言う「掛け持つ」の定義からは外したいと思う。
自分が「何かしらの具体的な成果物を生成するポジション」でアサインされている事を前提にする。
しくじりその1:スピード重視プロジェクトでの失敗
複数のプロジェクトを掛け持つと、そのプロジェクトにフルタイムでコミットすることは出来ないので、週2日間といった具合に稼働時間を取り決めることになる。
具体的な例を出すと、例えば月・火の週2日間をそのプロジェクトの稼働時間、と決めたとする。
与えられたタスクがもしその2日間でキリよく終わらないと、続きは翌週の月曜になる。残り半日で終わるタスクであっても、完成は約1週間後ということになる。これがフルコミットメンバーであれば翌日には完了しているわけで、この時間差はどうしても埋めることが出来ない。スピードが重視されるプロジェクトほどツライ立場となってしまう。
かと言って、決められた時間内で終わるようなタスクだけに絞ると、粒度の小さい物ばかり担当になり重要な部分を任せてもらえず、いわゆる小間使い的な立場になってしまう。そこに不満を持ち始めると一気に仕事がつまらなくなる。
しくじりその2:特殊な業務システムでの失敗
プロジェクトの内容があまり一般的ではないような業種・業態。技術面以外でも勉強が必要となるようなケース。
一般ユーザが利用するようなB2C系のサービスであれば、ある程度サービスの内容が理解できればシステム仕様も「こんな感じかな」と推測出来るのだが、B2Bや業務系システムでは、クライアントの業務そのものを理解していないと画面仕様すら分からない事も多い。
毎日携わっていれば嫌でもそのうち覚えていくが、週2〜3日程度の稼働だとなかなか覚えられない。
自分の記憶力が悪いというだけでなく、ちょっと言葉にするのが難しいが、ブランク期間が挟まると面白いほど忘れてしまうのだ。それで必死にメモを取るのだけど、毎回そのメモを見て「あぁそうだった」と思い出す所からスタートする。何かとこの「思い出す」作業に時間を奪われてしまう。うっかりメモするのを忘れてしまった日には、質問出来る相手が捕まらないと、それだけで大幅に時間をロスする。
しくじりその3:日々のモチベーション維持
これは以前にTwitterでも少し書いたが、1つのプロジェクトに集中していれば、常にそのことだけを考えていれば良いので意識しないのだけど、複数プロジェクトを担当すると、気持ちを上手に切り替えるのが難しい…と思う事がよくある。
前日キリが悪いところで終わってしまったけど、今日は別のプロジェクトタスクをこなさなければいけない、という時に陥りやすい。
昨日のことは綺麗さっぱり忘れて、気持ちを切替えて別のプロジェクトと向き合うためには、それなりにテンションを高めないといけない。特に、約1週間前の続きを思い出す作業は、思った以上にツマらなくてエネルギーを必要とするので、もしこの作業の途中で少しでも他に意識が奪われると、気持ちの切替えがどんどん難しくなっていく。
やっとエンジンが掛かっても、つい「あ、もしかしてこう修正したら昨日のバグが解決するかも?」なんて思ってしまった日には、目の前のタスクへの集中が完全に途切れたりもする。
まとめ
悪い面ばかり書いたが、掛け持ちすることにもメリットはあって、異なる技術に触れられて良い経験になるとか、他でのプロジェクトの知識が生きてくるとか、多少なり良い面もある。
しかし今のところ自分なりの結論としては、「極力掛け持ちしない」のがベストだと思える。女性の脳はマルチタスクだとかよく言われるけど、それにも限度がある。少なくとも並行するプロジェクトは2つまでにしないと、私の場合は100%の生産性を出せない気がする。
しいて言うなら、自分の得意な領域の仕事であれば、複数掛け持ちするのもさほど苦労しないのだろうと思う。言い換えれば、知識や経験が不足していたり、自己学習しながらこなさなければいけない業務を複数掛け持ちすると、ツラさばかりが積もっていく。
どうしても今すぐに、複数掛け持ち地獄から抜け出せない場合は、手持ちのどれかを「苦労せず出来る仕事」にまで昇華させるのが、ツラさを軽減する近道なのかな、と思う。
仕事は楽しいですか?
最近、落ち込む事があったら大好きなハイキューのアニメをよく見ています。(原作は男子高校生のバレーボール漫画で、少年ジャンプで連載中。ちなみに私は漫画よりアニメ派) www.j-haikyu.com
この作品の中で出てくるセリフが、大人になってしまった自分たちにもガツンと響くものがあるので、紹介します。
仕事は楽しい?
バレーに対してイマイチ本気で取り組んでいない生徒が、他校のエースに「なんでそんなに必死にやるんですか?」的な質問をするシーン。
こちらのサイトから転載します。
月島「僕は純粋に疑問なんですが、どうしてそんなに必死にやるんですか? バレーはたかが部活で将来履歴書に「学生時代部活を頑張りました」って書けるくらいの価値しかないんじゃないですか?」
(略)
木兎「月島君さ!バレーボール楽しい?」
月島「いや、特には……」
木兎「それはさ へたくそだからじゃない?」
月島「……」
木兎「俺は3年で全国にも行ってるしお前よりも上手い。断然上手い。」
月島「言われなくてもわかってます。」
木兎「でもバレーが”楽しい”と思う様になったのは最近だ」
「下手くそだからじゃない?」
これ、仕事も同じだなと思います。仕事を楽しむためには、楽しめるだけのスキルや経験が必要で、楽しいと思えるようになるには時間がかかるし、楽しむためには努力が必要。その領域に行けたなら、結果も評価も自然と付いてくる。
才能の限界
主人公が所属するチームのキャプテンのセリフ。
俺達はまだ発展途上もいいとこだし「才能の限界」なんて分かんないだろー
もし それを感じる事があったとしたってそれでも上を目指さずにはいられない
理屈も理由も分かんないけどさ
このセリフが響くのは私だけかもしれないけど。
年齢とか性別とか学歴とか環境とか境遇とか。様々な要素から限界を感じて、このまま進んでいいのかな?と迷った時に、それでも上を目指さずにいられないものは素直に受け入れよう、と。上には上がいて見上げたらキリがないけど、それでもいい。そこに理屈も理由もなくていい。
そう思いました。
伸びしろ
あと、伊達工OBが試合に負けた後輩に向かって「…ったく、伸びしろしかねぇなぁ!」っていうセリフが超好き。
— HAL ( ˘ ³˘)♥量産型 (@bump_of_kiharu) May 16, 2016
コードレビューでひどいダメ出ししても、最後に「まったく伸びしろしかねぇなぁ!」って付け加えてあげたら、世界の平和が保たれる気がする(u_u )
これね。マジこのセリフ超好き。ダメな時でも「伸びしろしかねぇな!」って考えるこのポジティブさがとても眩しい。このマインドがあったら最強じゃないかと。
さいごに
他にも名台詞が沢山あるので、疲れている大人にこそ見て欲しいと思います。
コミュ力モンスター
こどもの日に、大学時代の友人たちと一緒に豊洲でBBQをしてきました。
皆子連れで参加していましたが、子どもたちの年齢がバラバラで、4歳のうちの娘が小学中学年以上のお兄さん・お姉さんと遊ぶにはちょっと無理があった模様。「走り回ってくる」と言い残して、BBQのテントの周りをウロウロし始め、いつの間にか隣のまったく知らない家族の子どもたちと遊びはじめた娘。
なんとBBQ中の大半を、知らない家族の子たちと一緒に過ごしておりました。その後も、また別の家族のテントでお菓子をもらってくつろいでいたりと、コミュ力の鬼すぎて母親的にはビックリします。まぁ子供だからというのもありますが、それにしても。。。私が人見知り全開なので、娘のこういう部分には本当に驚かされます。(^^;
今までの娘の傾向を見ていると「何してるのー?」と突然知らない子に話し掛け、相手が会話に乗ってきたら「一緒に遊ぼー!」と言って遊び始める感じ。これはこれでスゴイんだけど、一番驚くのが最初に話し掛けた時に、相手がちょっと人見知りですぐにお返事が出来ないような時です。
モジモジして話せない子には、「何歳なのー?ゆうりちゃん4歳!」といきなり自己紹介を始め、その後「お名前は?」「いつもここで遊ぶの?」などと色々聞き込みして、一通り個人情報を入手すると「じゃあ遊ぼ!」と、自然な流れで誘っていくという。何が「じゃあ」なのか分からないけど(笑)
子供ながらにアイスブレーキングを心得ていて、誰かに教えてもらったわけでもなく出来ているのが、毎度我が娘ながら感心します。
娘いわく「一緒に遊ぼうって言えば友達になれるよ」とのこと。断られたらどうしよう?なんて考えてないし、たとえ断られてもすぐに別の子のところに行くだけで、とにかく自由。
嫌われたらどうしよう?と考えたり、会話が弾まないのが苦痛だったり、人の目を見て話すのが苦手だったり、まぁ挙げたらキリがないほどコミュニケーションスキルが低い私ですが、娘を見ていると「あなたと遊びたいのよ!」という気持ちがバンバン伝わってくるので、もしかして初対面での会話で一番大切なのはそういう事なのかな、と。
嫌われたらどうしよう? → 自分を良く思われたい
会話が弾まないのが苦痛 → おもしろくない人と思われたくない
人の目を見て話すのが苦手 → 自分の顔をじっくり見られたくない
よくよく考えると、こんな感じですべて「自分を良く見せよう」という気持ちの表れなんですよね、私の場合は。
そんなことに頭使うよりも「今はあなたと話たい!」っていう気持ちを素直に表現する方向に、脳みそフル回転させる方が良さそうだ。と気付いたGWでした。
『クラウドネィティブ化する世界』について
Innovation EGG 第7回 『クラウドネィティブ化する世界』で登壇しました
今回、大阪で開催されたこちらでお話してきました。そこで話したこと・話されたことに対する、ちょっとした考えを書こうと思います。
開催も7回を迎え、大阪で着実に実績を残されているイノベーションエッグ。このような場にお招きいただき大変感謝です。
以下、Doorkeeperのイノベーションエッグ紹介ページから抜粋です。
※Innovation EGGとは?
Innovation EGG(イノベーションエッグ)は参加する方にとって新しいIT技術や既存のIT技術の導入のきっかけや 何かものやサービスを作りたいけど具体的な方法が見えてない方の気づきの為の未経験者向け合同勉強会です。
また参加された方がこれを機会に気に入った講師の方のコミュニティの勉強会に参加するきっかけとなればと思います。
また、今回各スピーカーの方がお話されていた内容は、ハンズラボさんのブログに詳細があるのでこちらを見ると分かりやすいかと思います。
www.hands-lab.com
クラウドネイティブとは
まず、クラウドネイティブってなんぞや?という問いについて。他の方とは意見が異なるかもしれませんが、私の中の定義はものすごく単純で、
デベロッパーなら「クラウド利用を前提としたシステム開発・サービスの提供」であり、ユーザーであれば「(クラウドだと意識することなく)クラウドサービスを利用すること」。
ただこれだけ、これ以上でもこれ以下でもないと思っています。
最近はサーバーレス的な文脈で言われる傾向がある気がしていますが、ぶっちゃけIaaSを利用するのもクラウドネイティブだろうと私は思っています。この辺で意見が異なる方もいらっしゃるかもしれませんが、「当たり前にクラウドが使われ、それが大前提で何の疑問を持たないような世界」、それが「クラウドネイティブ化する世界」ではないかな、と。登壇時に特にその話はしませんでしたが、私はそういう前提で今回お話をしてきました。
私が話した内容はこちらのスライドをご参照ください。
Webサービスを構築するのに最低限必要となるであろう、Web/AppサーバやDBを自前で構築せずとも、ボタン1つで用意出来てしまう時代です。ボタン1つって大げさな…とお思いかもしれませんが、Firebaseの場合はまさにボタン1発でした。アプリケーション名を入力後、ポチっと1回しただけでサーバとDBがすぐに用意され、APIを通して使える状態になる。これぞ正にクラウドネイティブ。
私のデモを見ていただいた方なら、お分かりいただけたかと思います。
所感
クラウドというキーワードが以前はインフラ寄りだったのに対し、今は私のようなフロントエンドでも身近な存在になっているくらい浸透してきたな、と自分の発表も含めて感じました。それはサーバーレスアーキテクチャによる影響が大きいと思うのですが、バズっている背景には「開発に注力したい」という共通願望があるからだと思います。
しかし、便利だからと複数のクラウドサービスを連携していくのはどうなんだろう?というのが最近の私の考えです。いわゆるマイクロサービス化とニアリーイコールな状態になるため、トランザクションの問題やバグ特定の難しさなど、マイクロサービスで言われているデメリットと同じことが発生すると考えます。サーバーレスだからと言って、1つ1つのクラウドサービスの管理コストもゼロではありません。利用に際して最初のモチベーションは「開発に注力したい」だったはずなのに、クラウドの複数利用によって、逆にこういったデメリットにより開発スピードが鈍化するケースも事前に考慮すべきかと思います。規模が小さいシステムほど、諸刃の刃になる可能性があるなと感じました。
そのような考えの中、ハンズラボ加藤さんのお話は非常に興味深かったです。完全サーバーレスなシステム開発における、初回の学習コストの高さや運用ノウハウがないリスクなど、経験者の言葉には重みがありました。しくじり先生風で個人的に一番面白かったですw
さいごに
総勢15名ものスピーカー陣でしたので、みなさんテーマも様々でした。それゆえ、最低でもどれか1つは興味分野のお話が聞けたのではないかと思います。LTもかなり熱かったw
あと、フリーランスなので今回も自費で大阪まで行って来ましたが、確定申告をしていたら2015年の「旅費交通費」の項目が異常だったので、今年もこのペースだとそろそろヤバイのではないかと(税務署的に)ビクビクしている今日このごろです。いや、本当に出張費なので不正はしていないんですけど・・・(;´Д`)