自分が何者なのかを伝える手段としての「職種」が分からない
先日、とあるイベントに参加してネットワーキングのために名刺交換をしたとき、自分の職業が何かを伝えるのが非常に難しかった。社内やチームメンバーの認識では、私は「Webデザイナ」というポジションに思われている気がするのだけど、自分としては「そうじゃない」と思っているのが原因なように思う。
私としては「チームに明らかに欠けている役割」が「UIを設計する人」だったので、「UIデザインの経歴がある私がやるか」と思ったからやっているだけ、という認識。もし欠けている役割のうち最優先のものが「フロントエンドエンジニア」であればそれをやるし、「導入サポート」であればをそれをやると思う。グラフィックデザインとか動画クリエイターといった、プロフェッショナルスキルを要求されるものでない限り、自分のスキルで対応できそうならば何でもやる。(緊急かつ最重要であれば、未経験であってもチャレンジくらいはするかもしれないけど)
つまり一言でいえば「自分のスキル範囲で何でもやる人」というのが自分自身の認識なので、明確にコレと言える(言いたい)ものが分からなかったという。小さなベンチャーやスタートアップにいると、基本的に何でもやらならければいけないので、自分の作業領域はここまで!と線引きしていたらやっていけない。フリーランスになった時も、「やれることは何でもやる」のスタンスだったし、「未経験でも挑戦させてもらえるならやる」のマインドだったので、自然と経験領域が増えていった感じがある。 (単純に、自分が複数のキャリアを渡り歩いてきたというのもあるけど)
そういうわけで、人より突き抜けているものがあるのかはよく分からないが、大体のことは任せてもらっても大丈夫(だと思う)、という形容しがたいキャリア像が生まれてしまった。
ただ、言い換えれば先程言及したような、小さなベンチャーやスタートアップなどでは、私のような人間は活躍できる機会が多いのかなとも思う。大企業であっても、完璧にスキル配分されたチームに配属されるとは限らないので、チームで働く以上はそれなりに貢献できると思う。
スタープレイヤーではないけれど、スタープレイヤー達に欠けている部分を補ってオールマイティに動けるポジション。自身の職業像を表現するなら、これが一番しっくりくる気がした。うん、そうだこれだ。
でもやはり名刺には書けないし、自己紹介する時にもやっぱり困ることに変わりはない。
蛇足だけど、若い人(社会人歴5年未満とか)は、マルチスキルを考えるのはまだ先でいいと思う。まずは目の前の仕事にフルベットして、単一スキルでも勝負できるレベルになって欲しいと思う。そうでないと「何でも大体できる人」を目指すはずが「何をやらせても中途半端」な人になってしまう可能性のほうが怖い。