「何をやるか」より「何をやらないか」を考えるほうが前に進みやすいという話

大言壮語も甚だしいタイトルですが、何事にも通じる考えなのかなと思った話。

誰しも何かしらの課題があり、それを解決するために日々活動していると思うが、「やったほうがいいこと」は列挙したら無限に出てきてしまう。それは仕事やプライベートの垣根なく、万人に共通する話であり悩みなのかなと。

例えばプライベートであれば、物を整理してスッキリした部屋にしたいとか、健康を考えて運動をしたほうがいいとか、英語を勉強したいとか、ダイエットしなきゃな、とか……挙げ出したら本当にキリがない。それは仕事でもそう。技術的負債はこまめに返済したいとか、最新技術のキャッチアップをすべきとか、積ん読のままの書籍を読まきゃとか。思いつく限りリストアップするだけでも、20個は軽く超えそうである。

個人の範囲に留まらず、チームやプロダクト、事業、会社へと枠を広げていっても同じことが言える。「やるべき」と思われることは無限にあるのに、リソースは限られているので、どこかで優先順位や折り合いを付けていく必要がある。けれど、数が多いとそれすら出来ないことも日常茶飯事で、とりあえず目に付いたところから手を付ける…という思考に陥りがちだ。

そういう時にこそ思い出したいのは、『孫子の兵法』にある「負けないための戦略」。 これはチャレンジするなという意味ではなく、「勝つことよりも、負けないことを重視する」姿勢だと私は思っている。巷でもよく言われている、勝者の手法を真似るよりも、敗者の失敗経験にこそ学びがある論に近いかもしれない。つまり、勝つために「やるべきこと」を決めるのではなく、負けないために「やらないこと」を決めていく。

この話の肝は「優先順位を決めるって実は難易度が高い作業」だと認識することだ。プライベートな事柄であっても、何を軸にして優先度を決定するのか?と問われたら、即答できないのではないかと思う。なのでまずは、やらないことを決める。もっと言えば「やらない」と判断するためのルールを決める。 例えば

  • 英語を勉強したい → スマホアプリ以外を使う勉強はやらない
  • 運動したい → ジムに通うなど、お金がかかる運動はしない
  • 断捨離したい → 「メルカリで売る」などステップが増えることはやらない
  • 家事をしたい → 外注できることは自分ではやらない(ただし月N万円まで)

など、やらないことのルール決めだったら最初の一歩を踏み出しやすい。 仕事となると自分一人で決められないことも多いとは思うが、自分の裁量の範囲でまずは実施してみるところから始める。

  • 最新技術のキャッチアップ → 特定の人が共有してくれる情報以外は追わない
  • 積ん読の解消 → 購入から3年以上経っている本はもう読まない
  • 技術的負債の解消 → これはチームレベルの判断なので自分では優先順位を判断しない

これは一例なので、人によってルールは異なると思う。 やらないと決めると「やらないこと=悪」ではなく「ルールに従っているだけ」と思考変換できて、精神衛生も良くなる。これは戦略的アプローチであり、怠けているわけではないのだ。

そう、怠けているわけではないのです。大切なことなので2度言いました😇