卒園記念のDVD制作担当になって苦労した話

先日、娘の卒園式がありました。

日本の卒園・卒業式では、これまでお世話になった先生方に感謝の気持ちを伝える「謝恩会」というものを、保護者主催で行う文化があるようです。(恥ずかしながら、親になるまでまったく知りませんでした💦)

謝恩会では、園児が歌を歌ったり、思い出を振り返ったり・・・といった内容が多いみたいですが、私は謝恩会の中で流す「思い出動画」の作成と、最後に保護者や先生に配る「DVDの制作」という、いわゆるデジタル担当になりました。「ITのお仕事してるなら動画も作れるよね?」っていう理由で任命されがちな、IT業界あるあるですね。

一体どんなものを作ればいいんだろう?と企画の時点でかなり悩んだので、今後もしデジタル担当になってしまった方のために、私が制作したものの概要と、どこが大変だったか、どこを工夫すると良いか、などを残しておこうかと思います。

DVDの構成

まず、DVDにどんな内容を収めたのかというと

  1. 保育園での思い出(園児から一言ずつ)
  2. 園児全員の成長写真のスライドショー
  3. 先生達からのメッセージ
  4. 先生との思い出写真のスライドショー
  5. 園児インタビュー(先生の良いところ)
  6. こどもたちの合唱
  7. エンドロール(ママ達の写真のスライドショーに、謝恩会での担当をエンドロール風にまとめたもの)

実際に構成を考えるにあたり、兄弟がいる保護者の方から、過去のDVDを数枚見せてもらいました。そこからヒントを得たり、独自企画も含めて、上記のような構成になりました。

でも実は最初からここまで作るつもりではなく、当初は4チャプターくらいの予定だったのですが、製作途中でメンバーと話しているうちに、どんどん増えていった感じです…😓

最終的に全部で1時間ちょっとの長編になりました。私もやりすぎ感が否めないので、ここまで長編にしなくても普通は大丈夫だと思います💦 (過去のDVDでは大体30分程度でした)

苦労した部分

書き出すと色々ありすぎるのですが、思い出せるものだけ。

その1:画像収集

おそらく「園児たちのスライドショー」みたいなのは定番だと思いますが、これが想像以上に苦労しました。

なぜなら、まず保護者30人から画像を集める必要があり、ITリテラシーが高い方ばかりではないため、工夫が必要です。どうやってアップロードしてもらうか、更に言うと、今回はただ写真を集めれば良いだけではなく、何歳時の写真かの情報も必要でした。

実はこれについて社内の雑談Slackで相談したところ、Dropboxの「ファイルリクエスト」という機能を教えてもらいました。サインアップ不要なURLが発行され、簡単にアップロードが出来ました。

gigazine.net

ただ一点、ファイルリクエストでは、アップロード時に入力できるのは、「姓」「名」「メールアドレス」の3項目だけだったのです。そのため仕方なく、

  • 「姓」欄には園児のフルネーム
  • 「名」欄には撮影時の園児の年齢

というルールでアップロードしてもらいました。そうすると、Dropbox側で「姓+名」の入力値をプレフィックスにしたファイル名で保存してくれるので、管理が大変楽でした。一般の方からファイル収集する際には何かと便利な機能だと思います。

その2:画像編集

しかしいざ集まった画像を確認すると、、、

  • ガラケーで撮影したような解像度の小さな画像
  • 非常に暗い写真
  • 園児が豆粒くらいの小ささの写真

などなど。。。全体の半分はよく見るとピンぼけしているし、そのまま使えそうな写真は半分も無かったです。

ではどうしたかと言うと、

  • 園児の顔がなるべく大きく見えるように、ちょうど良いサイズにクロップ
  • 暗い写真は明度をアップ
  • ピンぼけや、色合いが不自然な写真はフォトショで可能な限り修正

最後のピンぼけ等々の修正は、私の職業病みたいなものなので実際にはここまでは不要だと思います。(スライドショーなので、じっくり見る時間もないですし)

ただし、「クロップ」と「明度の調整」は最低限やると、クオリティが段違いなのでこれはオススメしたいです。フォトショが無くても、スライドショーを作成するツールは、それらの調整が可能な物を選ぶと手間も少なく済むと思います。

ちなみに今回、スライドショーを作成するにあたっては、次のクラウドサービスを利用しました。(これも社内の方から教えてもらいました。マジ超絶感謝です🙏)

animoto.com

その3:DVDのオーサリン

今回一番の苦労ポイントはここですっ!!😭

たぶん私がMacユーザーなせいもあるのですが、今時はイケてるナウいDVDのオーサリングソフト(素人向け)が、絶滅の危機っぽい・・・

色々調べたり試した結果、Macでやるなら「Adobe encore」がまず第1候補として挙がったのですが(encoreはAdobe premiereに含まれているオーサリングツール)、実はAdobeさんは encore の開発をCS6で終了しております。。。今でも一応インストールは可能なので頑張ってみましたが、どうにも使いにくい上に、メニュー画面を作るのが死ぬほど面倒でした。(フォトショを使う必要がある)

そういえば、Apple純正ソフトのiDVDがあったよな??と思い出して調べたら、こっちも6年前に開発が終了しておりました。。。

・・・もうね、DVDなんか作る時代じゃないってことですよ。YouTubeを始めとする動画配信に時代はシフトしているのだな、と感じざるを得ませんでした。

最終的には、自宅に眠っていた古いiMacを起動させて、残っていたiDVDを使ってなんとかオーサリングできました。encore利用後だったせいか、iDVDの使いやすさときたらもう。不満が無いわけではないですが、私のような映像素人にはencoreより断然iDVDでした。

工夫すると良い点

最後に、工夫すると良いと思った点について書いておきます。

スライドショーの構成

先ほどから何度も言及している「園児のスライドショー」ですが、卒園児が30人もいて、かつ一人あたり7枚も載せると、見ている側も途中で飽きてくるのですよね・・・💧

なので、まずは大体3〜4人区切りで、スライドショーのテンプレートやバックミュージックを変えるようにしました。

また、一人ずつ以下のような構成で、30人分繰り返しました。

  • 園児の名前を表示
  • 「将来の夢」を言う園児の動画(約7秒)
  • 0歳〜5歳までの写真
  • 家族写真

30人 ✕ 7枚もあるので、ずっと写真だけが続くと飽きるんですよね、本当に。。。

そのため、動画を間に挟むことで、飽きが来ないようなアクセントを加えました。動画については

  • 名前(例:日本 太郎です!)
  • 将来の夢(例:大きくなったらサッカー選手になりたいです!)
  • 最後に決めポーズ(例:ピース!)

これを撮影日までに自宅で練習してもらうよう保護者に連絡し、園で一人ずつ撮影しました。園児相手なので、こういう根回し(?)というか事務連絡も、とても大切です・・・

ちなみにこのスライドショーは、謝恩会後の打上パーティでも流したのですが、園児たちに大ウケだったので、作って良かったなぁと思いました😂

DVDパッケージ

パッケージも記念に残るものなので、今回一応それなりに作りました。(DVDの盤面もお揃いな感じで) f:id:haru_skywalker:20180326000031j:plain

※イラストは有料素材を利用

パッケージデザインを多少こだわると、見栄えもそれっぽくなって評判もかなり良かったです。

ちなみに裏面の白丸部分には、園児一人ずつの顔写真と名前を入れました。パッケージデザインにも苦労しますよね。裏面は園児の写真を並べておけば、スペースを稼げるのでオススメです😂

利用したITサービス

Dropbox
これは上でも言及した通り、保護者から画像ファイルを集めるのに利用しました。

Animoto
これも言及した通り、美麗で動きが多彩なスライドショーを手軽に作れる有料サービスです。

YouTube / Vimeo
チャプターごとに、最初にラフ動画を作って他の担当メンバーに確認してもらったので、その際に何度もお世話になりました。

Googleフォーム
園児の誕生日や入園年月など、動画に含める情報収集の際に利用しました。特に説明しなくても皆さんちゃんと入力できていました。

iMovie
Macユーザーならお馴染みの動画編集ソフトですね。無料でバンドルされている割に、そこそこな編集がこれだけで出来てしまいます。私は動画の大半をiMovieを使って編集しました。

Final Cut Pro
これはApple純正の動画編集ソフトです。1ヶ月お試しでフル機能が使えるので、その1ヶ月でiMovieでは出来なかった事の大半をこちらで仕上げました。(iMovieで致命的なのが、チャプターマーカーを付けられない点です。なのでそれは他のツールでやるしかないです)
iMovieに慣れている人なら同じようなUIなので、Adobe製品よりも使いやすいと思います。ただしプロ向けツールなので若干操作が難しい部分もありますが、もし1ヶ月限定で頑張るなら、最初からこちらを使っても良かったような気もします。(購入すると3万円以上するお高いソフトです)

iDVD
これも既に書きましたが、オーサリングするのに大変便利でした。既に開発が終了しているというのもあり、テンプレートは今時とは言いにくい物が多いですが、それでも中にはそこそこイケている物もありました。

DVD Decrypter
50枚もDVDを焼く必要があったので、iMacWindowsマシンを並列稼働させて焼きました。WinではISO形式に落としたファイルから、このソフトを使って焼きました。

その他
動画のちょっとしたポイントで、シャララ〜♪といったベルの音や、チャイム音などを効果音として使うと、とてもそれっぽい仕上がりになります。フリーでダウンロードできる効果音はネットに多くあるので、それらを利用させてもらいました。作者の皆様、ありがとうございます🙏

さいごに

出来上がったものは、皆さんとても喜んでくれたので良かったのですが、正直とても大変でした。

3月は確定申告もあったし、仕事も多忙だったりで、無駄に完璧主義な私の自業自得な面は否めませんが、それを差し引いても一番大変な担当なのは間違いないです。今後担当される方は、くれぐれもほどほどに頑張ってください。。。💦