活発な議論を促すために必要な「心理的安全」の具体策について考えてみた

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私は現在、Webサービスの開発に携わっていて、サービスの今後の追加機能だとかプロダクトの今後について、チーム内でミーティングをすることがよくあります。現会社に入社するまでは、フリーランスで数社のベンチャーやスタートアップのプロダクトの開発チームの一員としてお仕事をさせてもらっていましたが、その時にも、同様にプロダクトの方針に関わるミーティングにも何度か参加させていただく事がありました。

入社して5ヶ月が経ったのですが、フリーランス当時と今とで、チーム内のミーティングの在り方が全然違うなぁ、と思うことがよくあります。そのことについて少し書きたいと思います。

スタートアップでよく見る人間関係

私の半径5m内での感想になりますが、スタートアップの創業メンバーというのは、以前から友人関係・同僚関係にあった人同士が会社を興しているケースが多く、人間関係がフラットな状態から始まっていることが多いように思います。人間関係がフラットというのは、先輩/後輩、上司/部下、経営者/従業員といった、各人をカテゴライズする属性を感じさせない人間関係のことを言っています。

そういった人たちのコミュニケーションは、多少の気遣いはあるものの、会話は基本タメ口だし、時には冗談も言い合える関係。プライベートな情報も日常的に共有しており(おそらく無意識に)、その人の性格だけでなく、得意・不得意、共感ポイントなどもある程度分かり合っている。

そのため、定例ミーティングも形式的なもので終わらず、何も発言しない人がいた…といった無意味な打合せは少なかったように思います。

少人数のプロダクト開発の現場において、例えばプロダクトの今後の方向性を議論するような重要な場面では、密度の高いブレストが求められると思います。フラットな関係の人同士の集まりでは、「一理あるけど、それってちょっと違くね?うまくいえないけど」といった気軽な会話が可能で、総じて活発な議論になりやすい。(議論が発散していくリスクも多少ありますが)

一方で、フラットな関係ではないサラリーマンチーム(と、ここでは呼ぶことにします)の場合、もし誰かの発言に違和感があっても、「うーん、それはどうなんだろう… でもハッキリとした根拠や理由が今は思いつかないな… なんて言えばいいだろう」などと心の中でワンクッションが入って、発言を迷っているうちに話がどんどん先に進んでしまう、といったケースはあるんじゃないでしょうか。(私はよくある)

「活発な議論」というお題目においては、どう考えてもフラットな関係のメンバー同士のほうがその目的を達成しやすいと思うのです。

フラットな関係を作るためには

チーム開発の文脈では、「発言しやすい雰囲気(心理的安全)を作るのが大切」といったことがよく言われています。

確かにその通りなんだけど、でも具体的にどうやったらいいの?といつも思うのです。いきなり全員が友達になれるわけではないし、ある程度の規模の会社なら、当然ながら上司/部下の関係は出来上がっていて、すぐに取っ払うことも難しい。

いきなりフラットな関係に持っていくのはかなり無理があるので、おそらく段階的にやっていく必要があると思っています。

例えば、まずファーストステップとして、「お互いをニックネームで呼び合う」くらいから始めてみる。これ、人間関係構築の初期における鉄板で、ニックネームで呼び合うと、セカンドステップの「タメ口で話す」に移行しやすい、という副次効果もあります。

ビフォー: 「阿部さん、この件の進捗どんな感じでしょうか?」
アフター: 「アベちゃん、この件の進捗どんな感じ?」

“ちゃん付け” で呼びかけてるのに、敬語だと逆に違和感ありますからね。

私にはこの程度しか今は浮かばないのですが、精神論ではなく実践できる具体的案について、何かアイデアがあればぜひ共有していただきたいです。

さいごに

一見するとくだらないと思われるかもしれません。でも、本気で「チームの心理的安全」について考えるなら、ただ漠然と「各人が気をつける」だけでは何も進展しないので、具体策にまで落とし込んで実施していく必要があると思うのです。

もし、ニックネームやタメ口は性に合わないわ… というメンバーが多そうな場合には、もういっそ諦めて、誰か絶対的なリーダーシップを持った人の独裁チームにする方がまだマシ。だと私は思っています。中途半端にお互いを立てあって、気を使い合った上辺の議論よりも、ジョブス的なリーダーシップを持つ人に導いてもらうほうが、議論もまとまって意味のある打合せになる気がします。