おらコミュニティさ行ぐだ

3月11日に行われた、AWSユーザグループのイベント「JAWS-DAYS 2017」のイベントで、トークセッションのスピーカーとして参加してきました。

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jawsdays2017.jaws-ug.jp

AWSに携わる仕事に興味のある人もまだない人も、AWSやエコシステムで輝いた働きかたをしてる人たちの体験談にディープダイブしてみましょう」という趣旨のこのトークセッション。私が選ばれたのは、7年間のフリーランスを辞めてAWS専業の会社に転職したことが理由かな、と自分では思っています。

トークの内容については、そのうちアスキーさんが記事にしてださると思うので、私はマフィアトークで話しきれなかった「コミュニティに関わって良かった」ことについて書きたいと思います。

ascii.jp

AWSマフィアとは

トークセッションのタイトルに「マフィア」と物騒な名前が付いているのですが、それは「PayPalマフィア」と呼ばれる方々からインスパイアされたものだそうです。

http://tomoyaishida.com/paypal-mafiatomoyaishida.com

上記サイトから一部引用します。PayPalマフィア、そうそうたるメンバーですね。

ペイパルマフィアとはオンライン決済システムPayPalの創業に関わったメンバーのことを指します。彼らはPayPalを創業し、その後eBayに売却、それにより数百億円規模の資産を手に入れます。そしてその資金を元手に各々が新たな会社を立ち上げ、そこで生まれたのが以下の企業です。
  • デビット・サックス → SNS「ヤマー」CEO
  • イーロン・マスク → 宇宙開発企業「スペース・X」、電気自動車会社「テスラモーターズ」CEO 太陽光発電会社「ソーラーシティ」会長
  • ピーター・ティール → 投資会社「クラリウム・キャピタル」創業者
  • リード・ホフマン → SNSリンクトイン」CEO
  • ジェレミー・ストップルマン → SNS「イェルプ」CEO
  • チャド・ハーリー →  動画サービス「YouTube」創業者

AWSコミュニティに関わったことが大なり小なり影響し、新たな道を進んでいる人にフォーカスを当てる企画にピッタリのネーミングです。

今回で2回目となるマフィアトークのスピーカーに選んでいただき大変光栄です。ありがとうございました。

コミュニティを通して得られたもの

転職の理由や経緯などは以前にもブログで書きました。

bump.hatenablog.com

ただ、その時はコミュニティとの関係については深く言及しなかったので、あらためて書こうと思います。

何度か書いていますが、私はフリーランス当初は仕事があまりなく日々悩んでいたのですが、ふとしたキッカケで「クラウド」というものを知り、その流れでユーザーコミュニティが主催する勉強会に参加するようになりました。それはJAWS-UGさいたま支部の第1回目の勉強会です。

その勉強会で、今回のマフィアトークの企画者でもある吉田さん(当時はcloudpackのエヴァンジェリストでした)や、ソニックガーデンの倉貫さん、さいたま支部の皆さんと初めてお会いしました。

吉田さんから、千葉在住の人が主体のユーザーグループが新たに出来る、と教えてもらい、当時AWSのことなんてほぼ何も分かっていないにもかかわらず、私も立ち上げメンバーに入れてもらうことに。それがすべての始まりでした。(倉貫さんからは他のコミュニティのことを教えていただき、それが後にRuby界隈の方々との交流に繋がったりもしています)

そうして各種イベントや勉強会の運営に携わるうち、生まれて初めてのLT、そして登壇する機会をもらいました。最初は「LTなんて無理です」と断っていたのですが、メンバーが背中を押してくれたのもあり、初めてのLT。これが自分の世界が変わった瞬間だったように思います。

たとえ目立った実績が無かったとしても、自分の中にある知識や経験など、何かしら発信できるものはある。高度なことじゃなくてもいい。もしネタに尽きたら、LT駆動で勉強してその成果を発表すればいい。どうせ自分には出来ない…と自らの可能性に蓋をしない。必要なのはほんの少しの勇気だけ。セルフブランディングを意識するようになったのもコミュニティを通じて得たものです。

JAWS-UGだけでなく、JS関連のコミュニティや大阪開催のコミュニティのイベントなどにも参加しました。おかげさまで多くの方とお知り合いになることができ、珍名なのが幸い(災い?)して、初対面でも「名前は見たことがある」と言ってもらえることも増えてきました。(特にこの業界は女性は少ないので覚えてもらいやすい、というのもあるかとは思います)

こうやって、コミュニティを通じて様々な人たちと知り合いになれたこと、学習範囲が広がったこと、諸々が影響して徐々に仕事の量も幅も増えていきました。会社員に戻ると考えた時も、ありがたいことにコミュニティで知り合った様々な方々から声を掛けていただき、その一人が現所属会社の代表の大石さんでした。

まとめ

こうやって振り返ってみると、フリーランス時代から今回の転職に至るまで、コミュニティに関わったことの恩恵は大きいなぁとあらためて思います。

私は特に突出した技能を持っているわけではないですが、たまたま自分の持ち合わせていたスキルや経験が、プロジェクトや会社にマッチすると感じてもらえただけだと思います。世の中には他にも同じようなスキルセットの人もいるし、もっともっと優秀な人も大勢いるけど、知り合うキッカケがないだけ。私の場合は、そのキッカケを作ってくれたのがコミュニティだった。そう思います。

「LTも無ぇ、登壇も無ぇ、執筆なんてあるわけ無ぇ、オラこんな自分嫌だ〜」と嘆く前に、まずは興味のあるコミュニティを覗いてみてはどうでしょうか。ただ参加するだけ、の状態からもう一歩踏み込んでみる。そのちょっとした勇気が、人生を変えるキッカケになるかもしれません。

転職先で自席がなくて最高だと思った話

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フリーランス卒業のブログを以前に書きましたが、転職先に入社して1ヶ月が経ちました。

bump.hatenablog.com

ですが、実は1月後半からずっと続く家族および自分の体調不良(インフルエンザ1回、発熱3回)で、まだ貢献出来ているとは言えない状況なのが精神的にツライところです。(スキルが未熟というのもあるのですが💦)

というわけで、ワークスタイルや仕事内容などについてのエントリーは今後書くとして、入社してみてこれは良いなと思った超個人的な感想を書きたいと思います。

自席がないって最高✨

会社では、自席が決まっておらずフリーアドレスになっています。つまり、自分の仕事の状況に合わせて好きな席で仕事ができます。

www.publickey1.jp

詳しくは上記をご覧ください。

このフリーアドレス制の何が個人的に超良いと思ったかというと、デスクが散らからないことです。いくら自分だけデスク周りを整理整頓しても、他人のデスクまでは干渉できないですが、自席がない=デスクに私物を置けないので、必然的に全席散らかりません。

これ、些細な事だと思う人もいるかと思うんですが、ワタシ的には超重要です。

仕事中に散らかったスペースが視界に入るとそれだけで気が散る場合ってよくあるのです。何か書かれた付箋紙、所狭しと並ぶフィギュア、乱雑に置かれている書籍などなど。ホコリが溜まっていたり不潔な状態のデスクが隣だったら、最悪中の最悪です。

それが一切ない。というか出来ない。

一人ずつロッカーが用意されているので、私物はそちらに入れるようになっています。そのため、不要な私物を持ち込まない効果があります。皆さん誰しも一度は経験あるんじゃないでしょうか、退職時や異動時にデスクを片付けると「そういえばこんな物あったなー」という私物の数々。ハサミやホチキスなどの文房具類の多さに驚く瞬間。書類なんかは典型ですよね、とりあえず的な感じで山のように入ってませんか。

割れ窓理論

割れ窓理論ってご存知でしょうか。

割れ窓理論とは | ビジネス・心理学用語集:意味・解説など | ビジネス心理学

割れた窓理論というのは人間の心理を表した言葉です。割れた窓を放置していると他の窓も割られやすくなる、というものです。ゴミだらけのところというのはゴミが捨てられやすいのですが、ホコリひとつなくきれいに維持されている場所を汚すのは気が引ける。 この心理を利用することで、犯罪や風紀の乱れを早い段階で抑止できる、という理論になります。
ニューヨークは非常に治安の悪い街でしたが、この治安対策としてジュリアーニ市長は割れ窓理論を利用しました。まずは地下鉄の落書きを一つ一つ消していったのです。 さらに地下鉄内において多発していた無賃乗車の取り締まりにも取り組んだのです。地下鉄に描かれた落書きを消していくことで、次第に地下鉄内における犯罪が大幅に減少したのです。そして次第にニューヨークにおいて発生していた凶悪犯罪の件数自体も減少しました。


この割れ窓理論が職場に与える影響については、下記サイトから一部抜粋します。

business.nikkeibp.co.jp

実際、「割れ窓理論」の通り、汚い作業環境では「これでいいや」と仕事の完成度に甘さがあっても許容してしまう空気があるし、果ては不正なども発生するかもしれない。この負の価値観の連鎖が「割れ窓理論」であるが、ニューヨーク市がこの理論に基づいて軽犯罪取り締まりを強化し凶悪犯罪を予防したように、不正の抑制とまでは行かなくても、作業環境が整然としており綺麗な状態であれば人間心理の常として、やはりいい加減な仕事ぶりは減っていくと思われる。

整然とした環境が人間心理に与える影響は、自分が思うよりも大きいものです。

綺麗なデスクのほうが思考も整然としてくる、という効果も当然あるのですが、私が一番大きいと思っているのは、散らかった状態だと「整理する」というタスクがずっと未消化状態で頭の中に居座り続けことです。気になっていることリストとでも言えばいいでしょうか。ちょっとしたタイミングでこれが集中を妨げる要因になるのです。

現に今わたしがこれを書いている自宅のテーブルの上は散らかっていて、このブログを書きながら2割くらいは意識を奪われている気がします😅

さいごに

フリーアドレスのことだけで熱く語りすぎた感は否めませんが、オフィスの綺麗さは個人の作業効率にも少なからず影響を及ぼしていると思っています。

転職先について良いと思ったことは当然これだけではないので、また色々と書いていきたいと思います。

My GitHub 緑化計画

2017年になり、今年の目標をどうしようかと考えていたのですが、とりあえず1つ具体的な目標として、自分のGitHubアカウントの草を生やし続ける、題して「My GitHub緑化計画」というのを実行することにしました。

草とは、GitHub上での活動履歴といいますか、contributions(貢献)としてカウントされた場合に該当日付に緑色の印が付くアレのことです。
(※ちなみにこれは私の草ではないです。誰の草か分かった人がいたら超スゴイ・・・!)

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毎日コーディングするというのが本質的な目標ではあるのですが、厳しくしすぎると続かない性格なので、このくらい緩いルールにして続けています。

  • 体調を崩した時などは、Issue書いたりREADME変更するだけでも最悪OKとする
  • チュートリアルの実践などのcommitでもOKとする
  • 業務で生えた草もカウントOKとする

まだ1ヶ月しか経っていないので、1年後にもう一度振り返りたいと思いますが、現時点での感想を書いておこうかなと思います。

良かったこと

10日間以上続けると習慣化するとよく言われますが、確かに1ヶ月近くも続けたら、雨の日も風の日も雪の日も嵐の日も、1日の終わりに「あっ今日は草生やしてないわ」とソワソワしてきます。

転職先のプロジェクトがRailsを使っているため、Rails初心者の私は今のところ有料チュートリアルを少しずつ進めてそれをpushする毎日ですが、この有料チュートリアルがなんと全部で128コマもありまして・・・その膨大な量にやる気が失せて最初はなかなか進まなかったんですが、緑化計画を開始してからはそれがモチベーションとなって、なんとか1/3まで進みました。

兎にも角にも、プライベートでも自己学習時間を確保する習慣が付いたのは一番大きな収穫ですかね。なかなかやる気の出なかったものでも「これ草にできるわ」と思えば、モチベーションにも繋がっています。

苦労していること

1月の終わりにインフルエンザを患いまして… この期間はなかなかしんどかったです。それこそIssueを書いただけの日々でした。こうなると草のためだけにやってる感が強くなって、自己嫌悪に陥ってしまうので、そういう日もあるさと気楽に考えるのが大切かなと。

あとは家族旅行などで、コーディング時間を捻出するのが難しい日も出て来ることです。365日草を生やし続けることを目標にしたので、家族にも了承してもらって、旅行先のホテルで30分だけコーディングする時間を捻出したりしました。

世の中のママさんなら分かってもらえると思いますが、実は平日より休日のほうが草を生やすのが大変です。普段より家事が増えるし、幼い子供が自宅にいると一人の時間なんて無いに等しいです。なので、1ヶ月続けてみて思ったのは、休日は子供より1時間くらい早起きするのが良いなぁと考えています。

さいごに

まだ1ヶ月ですが、こういう小さい積み重ねがいつか大きな山になることを信じて、コツコツと続けていきたいと思います。

会社員をしながらスクールに半年間通っていた時の話

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新年が明けて、新たな目標を立てている人が大勢いるので、私もそろそろ今年の目標をしっかり立てたいと思っています。

もう10年近く前ですが、会社員だった頃に、週2〜3回あるデザインスクールの座学講習に半年ほど通っていました。この当時の私は、仕事とスクール通いを両立させるのを目標に奮闘していました。

会社員をしながら通うのはとても苦労を伴ったのですが、非常に良い経験になったので、その時のことを思い出しながら書きたいと思います。

通うことにした経緯

簡単に経緯を説明すると、

  • いずれフリーランスになって在宅ワークが出来るスキルが欲しかった
  • 怠惰な自分の性格上、サボらないように座学にした
  • 大金をつぎ込む事で後戻りしないイイワケを自分に課した

最初はオンライン講習の方が断然安かったので迷ったのですが、当時はリモートではなく通勤していたので、業後に座学講習を受けるほうが続けられる気がしました。また、オンライン講習の「いつでも都合の良い時間に受けられる」というメリットは、逆に怠惰な自分には「また今度でいいか」とサボるキッカケになりそうな気がしたのでやめました。

会社への交渉

交渉といっても業後に通うので、許可を取る必要は無いかもしれませんが、当時は業後に会議を設定されることも当たり前のようにあったので、「決まった曜日は残業できません」という連絡を一応しました。

業務時間内で自分の仕事が終わるなら良いのですが、時にはそれが難しいこともあります。ですので、講習がない日に残業してリカバリーしていました。

特に大変だったこと

帰宅時間が遅い日が続いた

自宅が遠かったこともあり、約2時間半の講習を終えると帰宅時間が23時過ぎになっていました。また、講習がない日は前述の通り残業していました。

つまり、常に帰宅時間が遅い日が半年続きました。これは本当に辛かったです、自炊なんて120%無理でした。

完全に休める日がほぼなくなった

その講習では定期的に課題が出されたので、週末に課題制作を行っていました。平日は講習と残業、週末は課題制作。課題がない週末しか休日がありませんでした。

飲み会に参加出来なかった

講習に通っていた期間は、同僚から飲み会に誘われても行けない日が続き、そのうち誘われることもなくなりました? これが精神的に一番辛かったです。。。

振り返ってみて

短期集中が結果的に吉

もし週1回程度の座学だったら、おそらくここまで大変ではなかった気がします。でもそれだとモチベーションが続かないかもしれないし、半年間だけと分かっていたから頑張れたというのもあるかと思っています。

趣味のお稽古ごとなら良いのですが、仕事に関係する事なら短期集中でやるほうが、短期的には大変ですが長期的にはリターンも多く、ハッピーになると思います。

始める前に退路を断つ方法もセットで考える

目標を立てたものの、結局達成出来なかった人の大半は「達成/持続させるためにはどうしたらいいか」を真剣に考えていないのではないか、と思っています。意志の力や気力だけで「頑張る」と言っている。でも頑張るのってツライのですぐに続かなくなります。

新年になって多くの人が「今年の目標」を立てたと思うんですが、途中で挫折しないための具体的な方法まで考えたでしょうか。

私の場合は、自腹でそれなりの大金を投資したことと、会社に残業できない宣言までしたことが、なんとか半年間続けられた原動力になったと思います。これがオンライン講習で安価に済ませていたら、私の性格では「今日は残業してまた今度週末にでもやろう」「今週は疲れたから来週末にしよう」というのを延々と繰り返して結局達成出来なかった気がします。

楽しくて仕方がない事なら、誰に言われなくても自ら率先して色々出来るのですが、苦痛だと思う事を続けるには、自分がイイワケできなくなるような環境を作るしかない。例えば友達と一緒に通うようにするなども一つの方法だと思います。同じ目標の仲間がいるとサボり抑制だけでなく、競争心も出て来るし、お互いに監視しあう関係が出来ると最高だなと最近よく考えます。

さいごに

新年が明けて、今年の目標をブログに書いている人が大勢いたので、色々と拝見させてもらったのですが、目標を達成させるための方法までは言及していない人が多いなと思いました。

例えば「今年は◯◯を勉強したい」と目標を立てたとして、どのように勉強するか、勉強を持続させるための方法などの具体的なことが書いてない。学習計画も大切ですが、努力を継続させるための対策を考えるのも同様に大切です。目標は人それぞれ異なっても、継続の工夫については万人に参考になる情報なので、ぜひ共有して欲しいなと。

もし、単に目標を立てただけで終っているなら、ぜひ継続方法についても今すぐ考えて欲しいし、そして更にそれを共有していただけるともっと嬉しいです。お願いします。(他力本願)

フリーランスを卒業します

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www.adventar.org

こちらの25日目、最終日を担当致します。

タイトルで既に出オチ感ありますが、7年間のフリーランス生活を卒業することに致しました。これまでの私のフリーランス生活を総括したいと思います。

ちなみに、アドベンター登録時に12月上旬だと転職先が決まっているか微妙だったので、最終日という大トリの大役を選択してしまいましたが、そういう理由なので大目に見ていただけるとありがたいです。🙇

どんな仕事をしているのか

私は現在、Webアプリケーション開発や技術支援をしています。

フリーランス初期はWebデザインをメインにやっていましたが、途中からシステム開発も行うようになり、最近はデザインはやめて開発業務中心にシフトしました。この辺の話は過去のブログに書いているのでご興味があればご覧ください。

bump.hatenablog.com

なぜフリーランスになったのか

私は未婚の頃から「子どもが生まれたら在宅で働く」と決めていました。私の両親は共働きで、幼少期には何かと寂しい思いをしたため、自分の子どもには同じ思いをさせたくなかったのです。今でこそ在宅ワークが可能な会社は多くなってきましたが、7年前の当時はまだまだ少なく、そのため結婚2年後にフリーランスという選択をしました。

なぜフリーランスを辞めるのか

上記の逆になりますが、在宅可能な会社が増え、フリーランスにこだわる必要がなくなったのは一番大きいです。

また、私は常時3つほど異なるクライアントの業務を並行していたのですが、これがずっと心の負担になっていました。この件については以前にブログに書いたので、興味があればご覧ください。 bump.hatenablog.com

掛け持ちスタイルはやめて、1つのプロジェクトに100%フルコミットしたい。そんな気持ちが強くなり、どうせフルコミットするのであれば会社員に戻ってもいいのではないか?と考えるようになりました。そんな時に、ある方から「うちの社員にならないか」とタイミングよくお誘いをいただき、それがキッカケで真剣に考えるようになりました。

つまり、今回フリーランスを卒業するのは、子育てをしながらでも働きやすい会社が増えたことや、私の仕事に対するマインドの変化が理由です。

フリーランスになってみて感じたこと

会社員の頃、私にとって仕事とは「与えられて当たり前」のものでした。これがフリーランスになると、仕事とは「自分で獲得するもの」になります。そして自分の市場価値を嫌というほど思い知ります。フリーランスにならなければ、仕事を頂けるのがどれほどありがたい事なのか、気付けないままだったと思います。

実際に仕事をいただけるようになっても、会社員と違っていつ切られるか分からないリスクがあります。ある日突然「来月からはもういいです」と宣告されたことも実は過去にはありました。それは相手の都合(予算・人員の問題)の場合もあれば、私の力量が相手の期待値以下だったせいもあります。こういう経験を経て、会社員以上に自分のスキルを磨き続けなければいけない、と強く感じるようになりました。

フリーランスはシビアです。クビを切られないように努力しつつ、もし切られてしまってもすぐに次が見つかるようにしなければいけない。フリーランスは自由そうに見えるかもしれませんが、実際には緊張感のある日々の連続です。たとえ戦力外通知をされてしまっても、めげずにすぐ失敗原因を整理し、それを今後の糧にして這い上がっていくくらいのメンタルが必要です。おそらくフリーランスになったら誰しも1度や2度は、こういった経験をする時が来ると思います。ですが失敗から学ぶことは非常に多いです。他人のせいにして自己正当化だけで終わっていたら成長はありません。

また、自分のメイン業務以外に、営業や経理もすべて一人で行うことになります。私は家事や子育てもしながらなので、限られた時間で全てをこなすために、作業効率を真剣に考えるようになりました。ポモドーロ・テクニックやGTD(Getting Things Done)など、プロダクティビティを高める工夫も必要になります。

更に在宅で働く際には自分で自分を厳しく管理する必要もあります。これについては今でも色々と試行錯誤していますが、過去にその試行錯誤を書いていますので、興味があればご覧ください。

bump.hatenablog.com

挙げればまだまだありますが、フリーランスになったことで仕事に対する考え方、ワークスタイル、様々な変化がありました。7年間のフリーランス生活が、私自身の成長に大きく繋がったのは間違いないです。会社員のままだったら、これだけの成長は無かっただろうなと思います。

収入とスキルアップについて

これからフリーランスになる方が一番気になるのが、収入のお話だと思います。でも私のケースはあまり参考にならないかもしれません。金額面だけで言うと、会社員だった頃よりは少なくなりました。というのも、前職が給与面では高待遇だったせいです。

ただ、フリーランスになると自分の単価は自分で決められる。これが特権でもあります。

ここ数年、私は時給を決めて働いた時間分を請求するスタイルでお仕事をしています。

私の時給は案件や内容次第で異なりましたが、自分が時給に見合った価値を提供できると思えば、時給1万円に設定したっていいわけです。それだけの価値を提供できるのであれば。(大事なことなので2回言いました)

つまり、スキルを磨いてその道のスペシャリストになるなど、市場価値を高めることによって収入アップも可能なわけです。会社員だとインセンティブやボーナスなどで多少変動はあっても、基本的に給与テーブル以上の収入はありません。

納品ベースのお仕事だとしても、見積額は自分が決定するわけですから、生産性やスキルを高めることによって収入アップは可能なのです。

要は、収入は自分の実力次第でいかようにもコントロールできる。逆に実力に自信ないなら、案件数を増やす・稼働時間を増やす以外にないので、それなら会社員のほうが良い気もします。

フリーランスのスキル形成についても過去に書いていますので、興味があれば御覧ください。

bump.hatenablog.com

仕事の見付け方

フリーランス初期の頃は、友人知人のツテだけを頼りに仕事をしておりましたが、それだけではなかなか厳しい時期が続きました。しかし、セルフブランディングを意識するようになってからは、営業らしい営業をすることもなく常にお仕事の話が来るようになり、時にはお断りしなければいけないほどになりました。

セルフブランディング、要は自分を世間に認知してもらうことです。このブログもその手段の1つだったりします。

常に人材は不足しているのに、見合った人材が見つからなくて困っている会社は山のようにあるので、自分を認知してもらえるようにアクションすれば良いだけです。

  • ソーシャルを通じて自分の仕事を周知する(FacebookTwitter、ブログ等)
  • 業務に関係あるコミュニティに積極的に参加してコネクションを作る
  • さらに、イベントでLTや登壇をして自分の認知度を高める

特にコミュニティ活動を通じて出来た人との繋がりによって、これまで何度も助けられてきました。お仕事を頂くことも多数ありましたし、技術的な相談に乗ってもらったり、海外の技術イベントに参加する機会を頂いたり。そして今回転職先が決まったのもそうです。

人脈は宝です。フリーランスならなおさらです。

フリーランスの営業については、過去に書いていますので詳細はこちらをご覧ください。

bump.hatenablog.com

転職について

今回、フリーランスを卒業して会社員に戻る旨を公開したところ、非常に多くの方から「うちの会社どうですか」と、声を掛けていただきました。これには自分でも非常に驚きましたし、自分の価値を認めてもらえたようで大変嬉しく思いました。

一番嬉しかったのが、これまでお世話になった取引先に挨拶に行った際、「うちも検討してほしい」と3社からオファーを頂いたことです。既に一緒にお仕事をしたことのある会社から言われたということは、ポテンシャルだけでなくこれまでの実績を評価していただけたわけで、大変ありがたかったです。

今回、私が転職先の条件に考えたのは次の4点です。

  1. 在宅勤務が可能であること
  2. 単に在宅可なだけでなく、在宅ワークが不利にならないよう前向きに取り組んでいる会社であること
  3. やりたい仕事ができること
  4. 副業が可能であること

特に2番が大切でした。過去に関わったプロジェクトでは、在宅ワークが不利になることが多々あり、コミュニケーションがうまくいかず結果的にお互い不幸になってしまったため、その反省があって特に2番は重視しました。

副業については、現在自分一人で運用・開発しているサービスがあるためです。ですので、実務に影響しない範囲で個人事業主のお仕事も続けたいと思っています。

おかげさまで、上記の希望を満たす会社に内定し、1月からは会社員として働くことになりました。これまでお世話になった取引先の皆様、そして声を掛けていただいたり、心配していただいた皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

さいごに

フリーランスアドベントカレンダーなのに、会社員に戻る内容のブログとなってしまったのは申し訳なく思っていますが、これからフリーランスを検討している方に向けてお伝えしたいことは詰め込んだつもりです。私で良ければ、Twitter等のソーシャルを通じて色々聞いていただければと思います。

今回私は会社員に戻りますが、フリーランスの経験が私の仕事人生に大きな成長と変化をもたらしたのは事実です。

フリーランスを迷っている方へ。一度しかない人生、後悔のないようにやりたい事を追求しましょう。

デザインを勉強したい非デザイナの人へ

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過去に書いたブログですが、クリスマス間近なのでふと読み返していました。 bump.hatenablog.com

私は元々プログラマで新卒入社し、途中からデザイン業務もするようになったので、デザインを勉強したいと思っている非デザイナの方の気持ちはよく分かります。読み返していて色々思い出したことがあるので書いてみたいと思います。

コレクションの習慣化

デザインはほぼやらなくなった今でも、素敵だと思ったデザインは写真を撮ったり、画像を保存してコレクションしています。

普段からこのような収集をしておくと、地味に役立つ事が多いです。特にWebサイトのデザインは、長くても2〜3年でリニューアルしてしまうので、全画面キャプチャ等をしておく。

Qiita等の技術ブログをストックしたり、はてブするのと同じように、デザインを勉強したいと思っている方は、気に入ったデザインをPinterestなどの専用サービスを使って、どんどんストックしていくと良いと思います。

イデアは自分の中から勝手に溢れ出てくるものではない

イデアは、日々の情報収集や知識・経験から生み出されるもの。それはデザインだけでなくプログラミングや設計でも同じですよね。

漫然と日常を過ごしていると見過ごしがちなものでも、秀逸なデザインは無いかな?と常に意識するだけでアンテナ感度が高まります。例えば先述のブログを書いた年は、クリスマスカードデザインをするデザイナー用のアドベントカレンダーに参加していたので、クリスマス用デザインに対する情報収集アンテナがいつも以上に鋭敏だったこともあり、コレクション数がえらいことになりました。

それが講じてブログを書くほどのエネルギーに繋がったわけですが、いざブログを書こうとすると「どこが素敵だと思ったのか」「このデザインをした人は何を訴求したかったのか」とあらためて考えるキッカケにもなって、それが更に自分のアイデアの源泉にもなる。アウトプットすることで、二度美味しい状態を作ることも出来ます。

日頃からデザインに対する感度を高めておくと、具体的に手を動かさなくても、これだけでも十分に自分の血肉になっていきます。

自信がなくてもやってみる

何事もそうなんですが、本を読んだりチュートリアルをやったりするだけではなく、1つのオリジナル作品を作ってみる。これに尽きます。

私が初めてWebサイトの全ページをデザインしたのは、デザインスクールでの卒業制作の課題でした。卒業制作を完成させないと補助が出ないという強制力も働き、今見返すと非常に稚拙でデザインしたとは言えない代物ですが、それでも大きな自信にはなりました。

f:id:haru_skywalker:20161213162022p:plain ↑私の卒業制作作品… こんなレベルのものでも完成させることが大切😂

ここで大切なのが強制力で、この頃はデザイナではなくコンサルティング会社の社員でしたので、当然本業でもないし、ましてや報酬が発生するわけでもなく、平日の夜や週末といったプライベートな時間を使って作業をしなければいけない。そのような環境では強力なモチベーションでもない限り完成させることが出来ません。現に、同じコースを受講していた生徒のうち、卒業制作を完成できたのは私を含めて3分の1以下の人数でした。

完成できなかった人の傾向を見ると、会社負担でコースを受講している人が大半でした。逆に、完成できた人は自腹で通っていて、卒業制作を提出しないと補助が出ない人(私もこれ)でした。つまり、こういった自分の意思の力以外の強制力が働くことが、やりきる力に繋がっていると言えます。

私のブログ内では今まで散々言ってきたことですが、こういった強制力をうまく使うことが大切です。

今の時期なら、デザイナ用のアドベントカレンダーに登録して、強制的にデザインをすることを自分に課すのはとても有効です。繰り返しになりますが、オリジナル作品を1つでも作り、それをちゃんと完成させられたなら、それはとてつもなく大きな経験値になります。

さらに頑張るなら

ある課題に対してデザインする場合、1パターン作るだけならそんなに苦労しないのです。(最初は1つ作るだけでも大変ですが)

誰しも得意なデザインパターンというのがあるので、1つだけなら作ることができても、同じ課題でまったく異なるデザインを複数パターン作るのは非常に大変で、アイデアを絞り出す必要があります。

更に2つまでは作れても、例えば3つとなると「かわいい系、クール系、あとは…なんだ???」と最初のアイデア出しの時点で詰むことも。デザインする際には、実際には作らなくても例えば「女性向け、男性向け、ファミリー向け」など、頭の中で最低3つくらいのシミュレーションをすると練習になります。

実際の業務では、事前にターゲット層や訴求ポイントなどをヒアリングするので、このようにまったく異なるデザインを幾つも作ることは無いし、幾つも作らなくて良いように自分でコントロールすべきですが、練習という意味ではテイストが全然違うものを複数パターン作ると、重力装置で修行した悟空のようにメキメキとスキルが上がっていくと思います。

師匠を見つける

しかしいくら自分一人で頑張っていても、第三者によるレビューがあってこそ実力がつくというもの。

こればかりは現役のデザイナーさんなどに見てもらって、添削してもらうしかありません。日頃からデザイナさんとの交流を深めておいて、アドバイスや指摘をもらえる関係性を作ることも大切ではないかと思います。

さいごに

思い付きで色々と書いてしまいましたが、本業ではないことにチャレンジするのは本当に大変ですよね。私はこれまで職種を色々変えてきたキャリアの持ち主なので、その辺は痛いほどよく分かります。

新しいチャレンジを積み重ねることは大切ですが、具体的な目標がないチャレンジは意味がないに等しいので、まずは「自分のオリジナル名刺を作って配る」でも何でもいいので、ただこなすだけの勉強から1ランク上の方法でチャレンジしていくことが大切。

2016年ももうすぐ終わりですが、来年の目標は具体性のあるものを、確実にやりきれる方法まで考えて実行したいと思っています。

なぜ私の仕事は終わらないのか

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昨日から娘が発熱しまして。期限が迫っていた仕事があり、どうしよう〜〜〜って感じだったわけですが、夫が看病を代わってくれたので今日は丸一日仕事が出来ました。

そもそも期限より前に余裕を持って終わらせておけよ、というのはごもっともな話で。それはもう正論すぎてグウの音も出ません。夏休みの宿題と一緒でギリギリにならないとエンジンが掛からないダメ人間です。

期限までに仕事を終える事ができる人は100人に1人もいない

そんな私が、先日の出張帰りの機内でこの本を読了しました。

与えられた仕事をいつも期日までに終わらす事ができる人は100人に1人もいない、と。期限通り、ただそれだけの事がみんな出来ない。あぁ耳が痛いです・・・

その他にも色々と書いてありますが、私が強く印象に残ったのが「仕事の80%を最初の20%の時間で終わらせよう」というものでした。

仕事の80%を最初の20%の時間で終わらせる

やってみないと分からない事って本当に多いので、最初の2割の時間でほぼ完成形に近いプロトタイプ的な状態まで持っていく。期日までに終わるかなんて、まずやってみないと分からないし、この最初の2割の時間で落とし穴や感覚も掴めるので、もし期限が厳しいと感じたらその時点で交渉する。相手も、ギリギリで「やっぱり無理です」と言われるより、早い段階で申告してもらったほうが調整しやすいし、プロトタイプがあるから説得力もある。

言われてみればその通りで。この最初の2割の時間はすごく大変になるのですが、残りの8割の時間はゆったりモードで、プロトタイプから完成までに質を高めていく作業だけでなく、次に入るであろう仕事の準備や、技術的な勉強に充てたりも出来る。なんという理想的な時間の使い方だろうと思いました。

そして、このように仕事を進めていたなら、きっと今日は看病を代わってもらうことも無かったんだろうな、と思いました。

期限がまだ先でも、とにかくまず手を付ける。実はこれが一番難しいのかもしれないと思いつつも、とにかく素早く最初の一歩を踏み出す事を肝に銘じ、2017年からは、生産性・作業効率をもっと鍛えていかねばと思っています。